キセル喫煙の「味」について

キセルサイトを立ち上げるにあたり、一番最初に書きたかったことはその味わいです。

器具のかっこよさやメンテナンスの楽しさ、タバコの葉の違いや、気になる費用面など本当にいろいろ伝えたいことはあるのですが、やはり市販のタバコと違う「味わい」について書きたいと思います。

タバコの味とは

基本的な市販のタバコの味を考えてみると、それは「タバコの葉(刻:きざみ)」+『紙(巻紙:まきし)』となります。

葉の味は製品によって違えど、巻紙で葉を巻いています。巻紙も元々は麻や木材といった素材から作られているので、葉と同じ植物由来とは言えます。

しかし、気になってしまえば、やはり紙の燃える匂いというものがわずかながらに存在します。

試しに紙だけ(WinstonRED1mg)を燃やしてみましたが、普通に紙の燃える匂いでした。

手巻きタバコを作るときだと「フレーバーペーパー」という商品はありますが、市販のタバコでは使われていません。

その点、キセルはフィルターを入れる入れないはあるにしろ、紙を使いません。タバコ本来の味が楽しめることになります。

市販タバコはダメなのか?

キセル喫煙を経験すると市販タバコには戻れないという意見を聞くことがありますが、私はそう思いません。

市販タバコには市販タバコの利点があるのです。その利点が味の欠点として挙げられることがあるのです。

まず利点ですが、なんといっても手軽に楽しめること。喫煙所に入って数秒で喫煙が開始できます。運転中や、作業中にも喫煙できます。キセルではほぼ不可能ですね。

しかし、この手軽さが味の欠点に繋がってしまうこともあるのです。例えば、「時間がない」「イライラしている」。こんなとき、とりあえずタバコでも吸うか、というノリで吸ってしまうことはありませんか?

勢いよく吸ってしまうとタバコの葉の燃焼温度が上がります。すると、タバコの雑味・えぐ味がでてしまいまずく感じるのです。

一息目はむしろふかす感じで、ゆっくりと味わうようにすれば、しっかりと葉の味も感じることができるでしょう。

キセルの材質

キセルの材質って何?となりますが、キセルの形はいろいろあります。大きく二つに分けると羅宇(らう)キセルと延べキセルとなります。

延べキセルは全体が金属でできています。羅宇キセルは、羅宇と呼ばれている部分に「木材」または「金属」が使われています。

※なお、上記掲載の画像は「丸福キセル」の金属煙管です。一見木材を使用しているように見える下のキセルは「木目調」の塗装であり、材質は金属です。

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羅宇が木材

味わいとしてはマイルド寄り。特に材質が「竹」の場合は、かなりタールが抑えられてる感じがします。

多少の加工がされている製品もあるでしょうが、煙道内壁の適度なザラザラ感が、ほどよくタールを付着させているのでしょう。

しかしその反面、内壁に付着してしまうタールをこまめに清掃する必要があります。

メンテナンスもキセルの醍醐味として楽しめる人向けでしょう。

羅宇が金属・延べ煙管

味わいとしてはシャープ。

煙道内壁がなめらかなことから、スムーズに煙が流れてきます。

煙道内壁に付着するタールの量は、材質が木材のものよりも少なめ。ダイレクトな味わいが楽しめます。

清掃も簡単で、アルコールに浸したり煮沸可能なものもありますので、喫煙量の多い方によいのではないかと思います。

しかし、金属ということもあり、すぐに本体が熱くなります。

その影響で連続喫煙するとタバコの葉の燃焼温度が高くなり辛い味わいになることもあります。

キセルの長さ

先ほど、キセルの煙道部分にはタールが付着すると書きました。

煙道が長ければ、付着するタールの量は多くなり、その結果マイルドな味わいになります。

逆に煙道が短ければ付着するタールの量が少なくなるので、ダイレクトな味わいになります。

初めての場合は長めのものを選択するのがよいかと思います。

実際、私が最初に購入したものは15cmくらいのもので、しかもフィルター付きでした。

フィルターの有無

羅宇キセルの中には、フィルターを取り付けられるものがあります。市販タバコの吸い口についているものですね。キセルの場合、専用のフィルターを煙道内に取り付けます。

フィルター有り

特に初心者の方にお勧めなのがフィルター有りの煙管です。煙のキツさが市販煙草レベルになり、肺喫煙も容易にできます。まずは、フィルター有りでキセル喫煙の練習をするとよいでしょう。

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フィルター無し

本来の葉を味わうには一番の方法です。余分なものは一切ありません。

煙が強いので口腔喫煙向きです。いわゆる「ふかす」状態ですね。

口に広がるタバコの味と鼻を抜けるタバコの匂いを楽しみます。

吸い方は人によって様々ですが、最初に意識することは、「ゆっくりと、ゆっくりと」吸うこと。

勢いよく吸ってしまうと、舌やのどを火傷することがありますし、ほぼ確実にむせます。

少量の煙でも十分味わうことができますので、まずはむせない程度に吸うことを試してみましょう。

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乾燥状態と加湿状態の味

何が、「乾燥」「加湿」かというと、タバコの葉のことです。「シャグ」や「刻(きざみ)」と呼ばれています。

市販のタバコはほぼ乾燥状態にあると言ってもよいでしょう。キセル喫煙に使う「シャグ」や「刻」も、タバコセラーなどで管理していないと乾燥状態寄りになります。

ヒュミドールという専用の加湿用具やみかんの皮などで加湿をします。

どちらの葉が好きか?加湿加減はどのくらいがよいのか?

こればかりは、個人の好みになるのでいろいろと試す必要があります。それが楽しいんですけどね。

乾燥状態

大多数の意見としては「辛みが出る」とのこと。ポジティブに考えると「シャープ」な味わい。

「とんがった」味わいと言えるでしょう。新しいシャグや刻を買って封を開けた後……とりあえずそのままの葉を一服したくなります。

フレッシュな力を持った味を楽しめると私は考えます。

では、なぜ「辛み」などというネガティブな感想になるか?

それは管理がずさんになり「乾いてしまった」状態になった葉のことでしょう。管理された「乾燥状態」を楽しめるようになりたいものですね。

加湿状態

乾燥状態は、とんがったシャープな味とすれば、加湿状態は、丸みを帯びたマイルドな味と言えます。

せんべい(乾燥)とぬれせんべい(加湿)に例えるのが私の中では一番しっくりきます。

加湿にみかんの皮を使えば、ほんのり柑橘系の香りも楽しむことができます。ただ、気を付けたいのは「過加湿状態」。味がぼやけてしまいますし、カビなどの心配も出てきます。

少量を加湿すると「過加湿状態」になりやすいので、最初はシャグなら袋の半分くらい(20gくらい)、小粋という商品ならほぼ全量を加湿すると加減がわかりやすいかと思います。

「小粋はほぼ全量?」少し残しておいて乾燥状態のものと比較して楽しむんですよ。

まとめ

私は普段、「金属羅宇キセル(18cm)」「フィルター無し」「加湿状態の葉」を楽しんでいます。

自分のベースとなる組み合わせを作っておくと、別の方法を試した時に違いがわかりやすくなって楽しみが増えます。

味に関してはどれが正解なのかという紹介は出来ません。その人にはその人なりの楽しみがあり、違う嗜好の人と意見を交わすのも楽しいものです。

その時大切にしたいことは、理解できなくても否定はしないということですね。

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